『テイルズ オブ ザ レイズ』ここだけの秘密の話!
2019.8.29
こんにちは。
『テイルズ オブ ザ レイズ』制作プロデューサー 栁澤です。
今日は 『テイルズ オブ シンフォニア』の 発売日。
16周年ですね!おめでとうございます!
アプリの方では定期的に制作プロデューサーからのお知らせを書かせて頂いているのですが、テイチャン+のブログを書かせて頂くのは今回が初めてです!
このブログではじめてのかた、『テイルズ オブ ザ レイズ』を遊んでくださっているみなさまは改めまして、よろしくお願いします。
普段の制作プロデューサーからのお知らせでは「ザ レイズ」の今後開発情報!なんかをお伝えさせて頂いているのですが、今回は”開発者ブログ”と言う折角の機会なので開発秘話的なお話をさせて頂きたいと思います。
(今まであまりお話するタイミング無かったので!)
その内容は…!
初出の情報から続報が無く、リリースまでお時間を頂いた『テイルズ オブ ザ レイズ』と言うタイトル。
その裏側で何があったのか!?
今となっては懐かしい部分もあるのですが、良き思い出……と言う事で、どうかみなさまニヤニヤしながら見て頂けたらと思います。
「ザ レイズ」のリリースは忘れもしない2017年2月28日です。
ただ、そこに至るまでにはたくさんのクラッシュ&ビルドの試行錯誤がありました。
今回はそんな完成に至るまでにクラッシュされ、闇に葬られた仕様、デザイン、企画をピックアップしてご紹介させて頂きます。
・クラッシュ&ビルドその① 斬新すぎたUI
当時、開発中のUIはこんな感じでした。まずはクエスト選択画面。
クエストを斜めにスライドしてスクロール選択できるスタイリッシュなクエスト選択画面!
斜めにスライド出来るなんてすごい!斬新!
次にパーティ画面です。
ちょっと分かりにくいですが、右側のメニューをタップすると新しいメニューが下からスライドして出てくるという斬新なものでした。
(例えば、装備アイコンを選択するとメイン装備とサブ装備という二つのアイコンがスライドして現れます。さらにそのアイコンを選択すると、今装備している武器が下からスライドして出てきます。)
更に!ボタンでもなんでも無いキャラの画像をタップすると、キャラ選択のUIがどこからともなく現れたりもします。
今の「ザ レイズ」のUIと比べると全然違いますね!
当時のコンセプトは家庭用ゲームを超えるオサレなUI。
若いですね。ロマンに溢れています。
自信満々で作っていたのですが、実際にテスターさんに触ってもらった結果、10人中10人が遊びにくいというレビューを頂く事に…。
この時に斬新でオサレなUIよりも、やっぱり遊びやすいUIを!と言う当たり前な事に気づき、初心に立ち返った結果が今のUIの骨子になっていきます。
UIはプレイの状況や、資産状況が変われば遊びやすさも変わっていきます。
この時の気持ちが開発チームにあるからこそ、今でも、UIは実際に触ったプレイヤーのみなさまの意見をフィードバックしつつ、改良改善を繰り返して行くことが大切だとチーム一同感じています。
・クラッシュ&ビルドその② 低ポリ3Dモデル
何を削り過ぎたかは、言わなくても分かって頂けると思います。
当時の3Dモデルがこちらです。
イクスーーー! と叫びたくなりますね。
制作当時のポリゴン数は2000未満が目標でした。
なんで、こんなに少ないか…と言うと、iPhone 4位の端末でも快適に動くように!と言う事で、節約、節約をしていった結果がこのモデルです。
(当時、アクションの『テイルズ オブ』がスマホでどこまで再現できるかという試行錯誤の最中でまずは、確実に動く事を担保しようとした結果ですね。)
最終的には、もっとギリギリまで快適さを担保しながらモデルのクオリティーアップを図ろうという事になって、今のモデルの仕様に落ち着いています。
(そしてこのギリギリまで攻める戦いは今でも続いていて、隙があれば初期のモデルなんかも手を入れていたりもします。)
失敗だったのは、一回この低ポリで気持ちよく動いたものだから、調子に乗って80キャラ近く作ってしまったんですよね。
その後、これがクオリティーアップのため、全部作り直した結果、初期リリースのキャラ数に…と繋がって行きます。
・クラッシュ&ビルドその③ その他ボツになった掘りだし資料(遠い目をしながら)
その他、他にも開発の過程で色々ボツになった秘密の資料が一杯です。まとめて公開させて頂きます。
1部キービジュアル(イクスとミリーナが中央で歴代主人公がズラっと並んでるやつです。)のボツ案です。
魔鏡に写りこむ歴代キャラクター的な案です。
これはこれで好きだったのですが、やっぱりイクス達と歴代キャラ並んで欲しいって事で今の案が採用されました。
ワールドマップのボツ案です。
遊び心満載で作ってみたのですが、メタ過ぎるという事でボツに…。
制作してる時はめちゃくちゃ盛り上がってたんですけどね!
実は、初期の企画では歴代の名シーンを集めるミュージアム機能なんてのがありました。
実際途中まで作ってたりもしてたんですが、要素の複雑化や、魔鏡イラストと被ってるなどの理由から実装を見送りしました。
「ザ レイズ」で他のシリーズ事を知ったお客さんには、もしかしたら今でも需要があるかもしれません!
この機能で使用するゲーム画像を撮影するため、手分けして全シリーズをみんなで遊び直したのも良い思い出です。
今回お話したのはほんの一部で、リリースまでに他にも色々あったのですが、長くなってきたのでこの辺で一旦区切りたいと思います。
他にもお話したい事はまだまだありますが、別の機会のために取っておきたいと思います。
最後になりましたが、先日、いのまた先生とお打合せをさせて頂いた時に、みんなで喫茶店のナプキンに描いた落書きを公開させて頂きます。
いのまた先生のイクス可愛いかよ、と。
「ザ レイズ」のアプリを起動して、ロード時間の最中に描いてくれました!
(これは、いのまた先生が凄いのか、ロード時間が長いのか…。)
上は僕が描いたオタオタ、左はアートディレクターが描いたスタンですね!(なんだかすいません…!)
そして、察しの良い方はお気づきかもしれませんが、テイフェス2019で一瞬写った謎の新キャラクター。
キャラクターデザインはいのまた先生です!
もう少しで公開出来ると思いますので、楽しみにしていてください!
それでは、引き続き『テイルズ オブ ザ レイズ』をよろしくお願い致します。
『テイルズ オブ ザ レイズ』制作プロデューサー 栁澤 峻
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